帰り道を、一杯で完成させる。
麺処一成のコンセプトとこだわり
博多×家系、それぞれの核を一杯に。
博多にラーメンは溢れている。細麺で白濁した豚骨、あっさりしたスープ、行列を作る老舗。それぞれに歴史があり、理由がある。
ただ、麺処一成をつくった人間は一つの疑問を持ち続けていた。「博多の豚骨のまろやかさと、家系の醤油のコクと鶏油の深みは、なぜ一杯の中に共存していないのか」
答えは単純だった。誰もやっていなかっただけだ。
2022年、清川に1号店を開いた。釜で豚骨を時間をかけて炊き、鶏油とオリジナルの醤油油かえしを重ねた。宮崎県産のほうれん草と手仕込みのチャーシュー、慶史の麺を選んだ。博多の飲みやすさと家系のコクが、一杯の中で成立した。
もう一つ、決めたことがある。「接客が良い店にすること」。ラーメン屋にしては逆行する方針だと言われた。九州で初めて外国語対応の券売機を入れた。内装を清潔でスタイリッシュにした。女性が一人でも入りやすい場所にした。
帰り際に「また来たい」と思ってもらうこと。それが一成の目標で、今もそれは変わっていない。
翌1時まで、毎日スープを炊いている。
素材の名前で語れるスープ。
釜炊きスープ
豚骨を釜に入れ、時間をかけてじっくりと炊き出す。そこに鶏油(チーユ)とオリジナルの醤油油かえしを重ねる。
博多豚骨のまろやかさを土台に、家系の醤油感と鶏油の深みを加えたスープは、軽く飲めるのにコクがある。そういう一杯を作りたかった。
単に「豚骨ラーメン」とも「家系ラーメン」とも言えない。博多×家系という答えは、この釜炊きのスープから生まれました。
慶史の麺
一成で使う麺は、慶史が手がけるラー麦を使用したものです。
ストレート細麺は、スープがよく絡み、博多豚骨の飲みやすさを引き立てます。ちぢれ麺は、スープをしっかりと持ち上げ、醤油と鶏油のコクをそのまま届けます。
どちらを選んでも同じスープで、違う表情の一杯になる。その選択肢があることが、一成のラーメンを自分のものにする入口だと考えています。
国産素材
宮崎県産のほうれん草を使い、チャーシューは豚バラを手仕込みで仕上げます。タレには秘伝の醤油ダレを使用しています。
「国産素材にこだわっています」という言葉は、産地と製法の具体的な名前が伴って初めて意味を持つと考えています。
素材に名前があること。その名前を説明できること。それが、一成のスープへの誠実さです。
屋号「一成」に込めた思い
「一成(いちなり)」という名前には、代表自身の思いが込められています。
一口食べれば、何かがわかる一杯でありたい。その気持ちは、この名前を選んだ日から変わっていません。